社員クロストーク

Crosstalk

能登半島地震の対応について

地震発生時の裏側と
私たちの使命

都市ガスの安定供給と保安の確保は、北陸ガスの社会的な使命です。
では、災害発生時には、どのような対応が求められるのでしょうか。
2024年1月1日に発生した能登半島地震での対応を3名に聞きました。

プロフィール

  • Kさん
    本社
    保安グループ
    [2006年度 新卒入社]

  • Nさん
    新潟供給センター
    供給管理グループ
    [2021年度 新卒入社]

  • Tさん
    新潟供給センター
    供給管理グループ
    [2021年度 新卒入社]

2024年能登半島地震

2024年1月1日午後4時10分に発生した、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震。
新潟県では上越市の石油コンビナートで小規模火災が起きたほか、新潟市西区・江南区を中心に液状化現象が発生。道路や宅地で被害が広がりました。

2024年当時の担当業務について教えてください。

Kさん
本社の保安グループで、全社の防災業務の統括を行っています。年1回行っている防災訓練の企画運営や、防災施策の考案などが主な業務です。地震発生時は本部スタッフとして、現場からあがってくる情報の統括に携わっていました。
Nさん
当時は、新潟供給センターの供給保全グループに所属していました。お客さまの住宅敷地内でガス漏れなどが発生した際の対応や修理を担当し、地震発生時も現場での一次対応に携わっていました。
現在は部署異動をして、Tさんと同じ供給管理グループに所属しています。
Tさん
新潟供給センターの供給管理グループに所属していて、地震発生時は情報収集班として対応しました。被害状況や修理状況、現場の各班の動きをとりまとめて、本部に情報を伝える業務を担当していました。

地震発生時はどのような状況でしたか?

Tさん
私は1人暮らしで、地震発生時は家で休んでいました。地震で飛び起きたのですが、家の中の鏡なども倒れるような強い揺れで「これはすぐに出社して対応しなければ」と思いました。ただ、新潟支社・新潟供給センターは海が近いので、津波警報も出ている中ですぐに動くべきか迷いました(※1)。地震の情報を確認しながら、津波第一波の状況を確認した後に出社しました。
出社後は、本部の災害対策スタッフとして情報管理業務にあたりました。当日は深夜まで対応し、一旦帰って休んだ後、翌朝出社して対応を続けました。1週間ほど経って地震が落ち着いてからは、私も現場に出て修理対応を行いました。
Nさん
私は、正月だったので実家に帰省していました。地震が起きたのは、こたつに入りながら父と話している時でしたね。Tさんと同じように、津波警報が出ていたので様子を見ながら出社しました。
すぐに現場に出てほしいと指示を受けたので、親方(※2)と組んで第1陣として中央区の現場へ行きました。あちこちでガス漏れが起きていて、当日は深夜までガス漏洩の対応をしました。その後1週間ほどは、昼の班と夜の班に分かれて2交替制で現場作業にあたっていました。
Kさん
私は、妻の実家に帰る準備をしていた時に地震が発生しました。2人と同じく津波の心配があったので、大きい津波ではないことを確認してから出社しました。私が本社に着いた時には、すでに大勢の社員が集まっていましたね。
まず、新潟・長岡・柏崎の各支社をWeb会議で繋いで、状況把握に取り掛かりました。それを見ているだけでも新潟地区が大変な状況だということがわかりました。当日は深夜まで会社にいて、一旦帰った後、翌朝新潟供給センターに向かいました。その後2~3日は、修理の指令スタッフとして対応しました。やはり液状化した西区は被害が大きく、ほとんどその対応に追われていました。
Tさん
どこでどんな被害が起きているかを登録して、マップで可視化できるシステムがあるのですが、それを見ても液状化した新潟地区に被害が集中しているのがわかりましたね。
Kさん
被害が少なかった長岡や柏崎の支社から、新潟地区へ応援スタッフが駆けつけるような切迫した状況でした。
  1. 北陸ガスでは地震発生時の出社基準があり、基準値以上の揺れが発生した場合は、本人や家族の安全を確認してから出社する。
  2. 現場作業は必ず2人1組のペアで行う。それぞれ親方(処理責任者)・子方(処理員)と呼ばれ、役割が決まっている。

今回の対応で特に大変だったことは?

Nさん
ガス漏れに関しては、漏洩箇所を特定するのが大変でした。「家の近くでガスの臭いがする」といった通報をもとに現場へ向かうのですが、ガス漏れしている箇所が多すぎて、どこから発生しているかわからないんです。平時であれば、ガス漏れを止めて修繕して、お客さまがガスを使えるようにするのですが、地震発生から3日間ほどはガス漏れを止めるところまでで精一杯でした。
さらに、道路と住宅敷地内のガスメーターとの間でガス漏れが起きていたら、地中を掘ってガス管の引き込み管を切断するしかない。それを1日に何件もやるんです。寒い時期だったので体力的にも大変でしたね。
Tさん
本部で災害対策スタッフとして対応していた時は、電話対応が大変でした。通常は、通報内容をシステムに登録して、その情報をもとに修理へ向かうのですが、地震発生時は電話が多すぎて対応しきれない状況でした。システムへの登録も追いつかず、手書きのメモが本部に続々と集まり、それをまとめるのに苦労しましたね。
あとは、宿直時の出来事もよく覚えています。深夜に「広範囲でガスの臭いがする」という通報があり、3時間かけて漏洩箇所を特定しました。しかし、工事店も別の物件の対応で来ることができず、ひとまず周りにカラーコーンを立てて周辺の立入りを禁止し、朝まで通行の誘導をしました。もちろん防寒着は着ていましたが、寒かったです…。
Nさん
ガス漏れはガス検知器で計測できるけど、広範囲で漏れていると、どこでも反応してしまうんですよね。
Tさん
そうそう。だから、ガス検知器で特定できない場合は濃度計を使います。アスファルトの隙間や排水溝に差し込んだりして、ガス濃度の高い場所を探るんですよ。
Kさん
私は本部スタッフとして対応を行いましたが、地震発生から3日ほどは情報が錯綜していましたね。普段の受付システムと災害用システムを併用しており、情報の突合せ作業などに追われていました。
Tさんが言うように電話対応も追いつかず「何度電話をかけても繋がらない」「通報したのにスタッフが来ない」というお客さまも多く、心苦しい思いでした。

地震対応を振り返ってみて、良くできた点や課題などはありますか?

Kさん
難しいですね…。インフラを担う会社として当然のことではあるのですが、正月にも関わらず多くの社員が昼夜を問わず対応していて、1人1人の使命感を改めて感じました。あとは、地震発生の半年ほど前に災害用システムを導入していたのですが、それがうまく機能したと思っています。
課題としては、やはり情報が錯綜してしまったことですね。現場の修理対応に人手を割きたいのに、情報整理に人手がかかってしまった。それは今後改善できるようシステム改修を計画しています。
Nさん
地震発生当時は入社3年目でした。それまでお客さまの敷地内のガス管の修理をずっとやってきて、地震発生時にはある程度仕事がこなせるようになっていたので、培ってきた知識・技術を役立てられたかなと思っています。
私はずっと現場に居たので、正直、本部の慌ただしさは知らなかったんです。「なかなか指示が来ないな」「今どういう状況なんだろう」と思うことも度々ありました。指揮系統がうまく機能していなかったことは、改善すべき課題だと思います。
Kさん
本部と現場の意思疎通が難しい状況だったよね。
Nさん
そうなんです。現場へ行った人しか状況がわからないから、その後の情報整理が大変でした。でも、災害訓練を重ねて改善しているので、今は当時よりスムーズに動けると思います。
Tさん
Kさんが言う通り、新しい災害用システムが活用できたのは良かったと思っています。
私は普段、災害訓練の実施や災害対応の教育に携わっているのですが、反省点としては災害対応の周知が不十分だったことですね。災害発生時の流れやシステムの使い方について、本部スタッフは理解していましたが、受付担当や修理担当からは「どう対応したら良いのか」と問い合わせを受けることがあったので、平時にもっと説明ができていれば…という思いがありました。

安全対策の観点で、今後どのような会社を目指していきたいですか?

Nさん
ガスの修理作業は常に危険と隣り合わせです。ガスが漏洩していれば着火する可能性があるし、重機や工具による事故やケガのリスクもある。
もちろん、安全に作業を行うためのルールはあるのですが、緊急時はどうしても慌ててしまうし、安全性が疎かになりそうな場面もある。それでも「ルールを守る」という意識を1人1人が持ち、醸成していくことが大切だと思います。
Tさん
北陸ガスはジョブローテーション制度があるので、過去に供給担当の経験がある方は、営業担当でも修理対応ができるなどオールマイティーな人材が多いです。今回の地震対応でも、部署を超えて活躍する社員がたくさんいました。それは北陸ガスの強みだと思うので、今後も活かしていけたらと思いますね。
Kさん
北陸ガスの基本的なマインドとして「保安の確保」と「安定供給」があります。これを意識しながら業務にあたることが大切だと、今回改めて感じています。
本社スタッフとしては、地震対応での課題や教訓を、作業手順やルールに取り入れてブラッシュアップしていかなければなりません。色々な人の協力を得ながら、現在も取り組んでいます。

最後に少しだけプライベートなことを伺います。
休日の過ごし方やご趣味を教えてください。

Tさん
新潟はお酒の国なので、例に漏れず私も大好きです。御朱印集めやバレーボールもやっていますね。最近はカードゲームにハマっていて大会にも出たのですが、小学生と中学生に全敗しました(笑)。
Kさん
うちの子どもも最近カード集めにハマってるよ。
Tさん
私、教えに行きますよ!(笑)
Kさん
私は趣味という趣味はないのですが、体力維持のためにバスケットボールをやっています。あとは毎日会社から走って帰っていますね。バスを待つなら、走った方がいいかなと。
Nさん
私は野球、釣り、ゲームが好きですね。野球は小学生の頃からずっとやっていて、今も草野球チームに所属しています。最近子どもが生まれたので、なかなかできなくなりましたが、いつか子どもと野球ができるようになったら嬉しいです。